ノーベル物理学賞受賞者・名古屋大学特別教授 天野浩さん:モンゴルは若い国、未来への展望が大いに期待できます


天野浩教授(56)は2014年に、高輝度で省電力、長持ちする利点 を持つLEDを開発し、次世代光源として実用化に貢献した功績でノ ーベル物理学賞と日本の文化勲章を受章した。その天野さんが名古 屋大学松尾清一総長ら一行とモンゴルを訪問し、3月28日、トゥ― シンホテルで学生や研究者を対象に講演を行った。会場は大勢の立 ち見が出るほどの盛況ぶり。まずはスエーデンのスットクホルムに おける受賞までをユーモアたっぷりな語り口で紹介し、次いでLED 開発の経緯と今後の可能性について語った。翌日は、多くの研究機 関や大学、太陽パネルの賛光精機、ゴビ・カシミヤなどの企業を精 力的に視察して廻った。最後に日本大使館主催の夕食会で清水武則 日本国特命全権大使と歓談した。 ――青色の発見までにはずい ぶんご苦労されたと思います。 これは、産・学・官の大き な協力があってのこと。大学 でのクリエイティブな研究だ けではできません。実用化と 莫大な研究費の後押しがあっ てはじめて出来ること。政府 の力は大きいですよ。 ――天野先生は研究熱心で、 元旦を除く毎日、研究所に通 い、実験していたとか。 確かに、学生時代はそうで した。根気強く、途中で投 げ出さず、成功を信じて継 続することが大切です。私 はそれが苦にならない。実 験は実に楽しいのです。 ――仕事上のストレス発散 はどのように? 私はスポーツが大好きで、 週に一度は10キロ程度走っ ています。これで気分がす っきりします。 ――名古屋は日本の中心部 に位置し、自動車や楽器な どモノ作りの拠点と言われ ますが。LEDの開発で、今や 世界的なモノ作りの拠点と なりましたね。 それは名古屋の誇りです。 日本の信号はすべてLEDにな りましたが、その第一号は 名古屋からでした。大学は その地域に合った独自の研 究を伸ばし、今後も名古屋 から世界へ羽ばたく人材を 輩出するため、若い研究者 を育てていくのが大事です。 ――モンゴルでは最近、理 科系重視の政策にシフト し、日本の技術を学ぶため 多くの研修生を送り出して います。しかし、戻ってき ても受け皿となる企業や産 業がないのが問題です。 学生にはまず法学、医学、 農学という人の命と暮らしに 最も必要なものを重視し、そ の上で物理や工学などが極め られていきます。モンゴルは 中国に大きく依存している が、一国に傾倒していくのは 危ないです。学問も同じ、若 い人間性を育てるにはバラン スが必要です。 ――先生は、今の日本社会 をどう見ておられますか。 若者については? 日本はドイツやイタリアと 並んで、GDPが減っており、高 齢化と自動化が進んでいる。 人がいなくてもモノができ る。だが、イノベーション がないと疲弊する。日本は 内需があるのでやってこれ たが、これからはいろんな 国ともっと話し合っていか ねばならない。 自殺率は世界で17位、若い 人の自殺が多いのは、生きる 力が弱くなっているから。小 さいころから自分で考える力 をつけてやることです。 ※遊牧民のゲルを訪 ね、LED電球を使っているの に喜び、太陽パネルでテレ ビを見ているのに驚く。馬 に乗っては、「あ~、気持 ちがいい!」。ノーベル賞 の権威のかけらも見せない お人柄。「昔から少しも変 わっていません。家族は互 いを尊重し合い、それぞれ が自分の世界を持って動い ています」と香寿美夫人。

Featured Posts
Recent Posts
Archive
Search By Tags
No tags yet.
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

             2017 MNCCIJ

  • Facebook Social Icon
  • Twitter Social Icon